アルコール依存症、アルコール中毒という言葉は今や巷でもよく聞くことと思いますが、自分には関係のないもの、お酒を飲みすぎるのは意思が弱いせいだといった印象が強いかもしれません。
しかし、アルコール依存症という病気は、お酒を飲む人であれば誰しもが罹る可能性のあるものです。最初は少しの習慣飲酒だったのが、ふとしたきっかけ(人によってさまざまなきっかけがありますが)で、徐々に飲酒量が増えていき、「脳」がアルコールによって侵され、飲酒量や飲み方を自分の意思、力ではもはやコントロールできなくなってしまうのです。
結果として、健康的な被害(たとえば肝臓へのダメージ)、社会的な被害(家族関係の悪化、借金、欠勤など)さまざまな悪影響を及ぼします。ここまでくると、もはや「心の病気」ではなく「脳の病気」と云うことができ、実際に脳機能の異常が起きていると報告されています。「病気」である以上は、自分の意思だけで飲酒を減らしたり、やめたりすることは非常に困難で専門的な治療が必要です。
もちろん、治療に対する不安などもあるとは思いますが、少しでも自身の飲み方に問題を感じておられるようであれば、まずは気軽に相談だけでもしてみると良いのではと思います。当院での治療は大きく分けて、外来(通院)治療と入院治療があります。具体的な治療の内容については、各紹介内容をご覧ください。
お酒をついつい、飲みすぎてしまう。やめられない。もしかしてアルコール依存症の病気かもしれない。治療方法は?どうしたらいいのか?相談したい…などでお困りの事はございませんか。
外来では、定期的な通院をしていただき、現在の飲酒状況に問題がないかなどを診察で取り扱ってまいります。断酒または節酒できるよう目指し、お薬を使用する場合もございます。集団療法「スマープ」へも参加をお勧めいたします。
また、断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)などの自助グループを紹介いたします。
初診 | 火曜日 午前11:00~(祝日除く) |
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水曜日 午前11:00~(祝日除く) | |
木曜日 午前11:00~(祝日除く) | |
再診 | 月・火・水 午前9:00~15:00 |
※診察(初診・再診ともに)は完全予約制です
※初めての診察(初診)は、事前に電話相談をしてご予約をお願い致します。精神科外来看護師か精神保健福祉士が話をお伺いいたします。ご本人さまの受診に関するご意思によっては診察とならないこともございます。ご了承ください。
当院では初めて診察(初診)の方については、完全予約制となっております。
お問い合わせ、ご予約は電話にて下記へご連絡ください
受付:平日(祝日を除く月~金)15時以降(~17時)にお願いいたします
電話:0742-45-4601(代)
・お酒を飲酒して来院した場合に、お越しなっても受診できない場合がございます。可能な限りお酒を飲まずにお越し下さい。
・入院のご相談についても承ることができます。
・他の病院やクリニックへ通院中の方は、紹介状をお持ち下さい。
※ ご不明な点は、お電話の際に精神科外来看護師か精神保健福祉士にお伺いください。
日本生まれの薬物・アルコールの専門的治療で、薬物・アルコールの害についての心理教育と認知行動療法がベースになっています.当院では,アルコール依存症の方を対象として、2016年10月より、医師・看護師・公認心理師でスタートいたしました。
この治療法は,ご自身の飲み方のクセやアルコールに注意が向きやすくなる環境・気持ち・行動に気付き、これからのアルコールとの付き合い方を考えていくプログラムです。断酒に失敗してしまって、医療の敷居が高くなってしまった方と医療をつなぐためのセーフティーネットでもありたいと考えています。
CRAFT(クラフト)はアルコール依存症を取り巻く環境を改善し、家族のコミュニケーションや対応について学びながら、当事者の方が治療を受け入れやすくすることを目的としたご家族対象の教室です。ご家族自身がより豊かな生活を送れるようになることも目指しています。グループワークや交流の機会もあり、寛いだ雰囲気の中で行ってまいります。
アルコール家族教室のご案内(PDF)アルコール依存症治療をご自身で希望される方が対象になります。入院期間は、2~3か月になります。アルコールリハビリテーションプログラム(ARP)を用いて治療を進めてまいります。アルコール依存症についての学習会や認知行動療法、活動療法などを行っております。
医師、看護師、薬剤師、公認心理師、作業療法士など様々な職種が連携をして、専門分野の講義を行ってまいります。プログラムの学習を通じて、アルコール依存症という病気の理解を深めていただき、新しい価値観を構築していく中で、「自分らしさ」を再発見していくことが目標になります。
病棟でのプログラムとして、アルコール依存症に焦点をあてた認知行動療法を行っております。医師、看護師、作業療法士、公認心理師などがスタッフとして関わります。入院された方がアルコール依存症についての理解を深めるとともに、入院されている方同士でアイデアを出し合って、退院後のアルコールに頼らない生活を送るための工夫を考えていきます。
毎朝9時45分より病棟ホールにて行います。月曜日には1週間の予定の確認を行い、その他の曜日は認知行動療法の内容を確認します。質問があれば随時スタッフがお受けいたします。
作業療法室にて創作活動、軽運動、音楽鑑賞などの作業を用いて集中力の向上や体力づくり、生活リズムの改善を促してまいります。プログラムの参加を通して、入院中から「お酒のない暮らし」を感じてもらう環境作りを行います。今まで飲酒していた時間を今後どのように健康的な活動で補っていくのかなど、考える上での「ヒント」になるような活動を一緒に相談してまいります。
同じ病棟に入院している患者さま同士で毎週様々なゲームなどのレクリエーションを行います。活動を通して患者さま同士の親睦を深めたり、適度に体を動かしたりすることで気分転換にも繋がっていきます。
週に一度みんなで歌を聴いたり、歌ったりするプログラムです。歌を聴くことで心を安らげ、歌を唄うことでストレスの発散等を促していきます。また懐かしい曲を聴くことで、患者さま同士のコミュニケーションのきっかけになることもあります。
退院を控えた患者さまの退院前作文の発表を行います。入院のまとめとして、過去の飲酒問題をご自身で振り返り、退院後の新しい生活に向けて話し合いを行います。